死
- Akiko D.C.
- 2020年6月10日
- 読了時間: 1分
「死」というものを皆さんはどのように捉えているのでしょうか?
私にとって『死』とは自然の営みの中における通過ポイントであり、『死』とは当たり前の日常なのです。『死』を切り離した『生』などありません。

鎌倉時代から江戸時代にかけて描かれた『九相詩絵巻(九相図)』をご存知でしょうか?(『九相詩絵巻(九相図)』で検索すると画像を見ることができます)
人が死んだ後、屋外に打ち捨てられ、徐々に白骨化していく様子を描いたものです。
九相図は仏教絵画で、肉体に対する執着を捨て、世の無常を悟るために死後の九つの段階を観想する『九相観』が基となっています。
私はこの絵巻がとても好きです。
それは自然の摂理が丁寧に解りやすく描かれているからです。
どんなに人が「怖い・醜い・グロテスク」だと死後の変化に目を背けても、その変化は全ての人が辿る当たり前の過程なのです。
もちろん現代は亡くなった後、エンバーミングを施したり、早い段階で火葬を行いますので、白骨化していく過程を目にすることはなかなかありませんが・・・
この絵巻を見るたびに、「人間は自然の一部分であり、自然の摂理の中で生きている」ということ、そして「死は終わりであり始まりである」ということを感じずにはいられません。