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黄櫨染の御袍

10月22日に即位礼正殿の儀が行われましたがごらんになりましたか?その際、天皇陛下がお召しになられていた「黄櫨染(こうろぜん)の御袍(ごほう)」について皆さんはどんなことをご存知ですか?

黄櫨染とは染め色の名前で、「黄色みを帯びた茶色」などといわれています。平安時代初期(820年)嵯峨天皇の詔により、黄櫨染の御袍が天皇の服とされて以来、黄櫨染は天皇以外が使用できない禁色となったそうです。

実はこの黄櫨染、太陽光や白熱灯下にあるときと蛍光灯の下にあるときとで色調が変わることをご存じでしょうか?それだけではなく、太陽光を通すと、染めた布の裏側が真っ赤に輝くのです!!

一般的な染料の素材である櫨(はぜ)・蘇芳(すおう)・紫根(しこん)を特定の配合で組み合わせたときにだけ、色が変わるという不思議な性質を持つのだそうです。

この黄櫨染は禁色ということもあり、一般の目に触れる機会がなく、正確な染色法も知られてなかった事から「幻の染」と呼ばれていたそうです。それを染織作家である奥田祐斎さんが初めて調査・研究され、自分なりのアレンジを加えて「夢こうろ染」として再現・発展されたのです。

そんな黄櫨染が見たくて、2008年に彼の工房『祐斎亭』を訪問しました!工房見学は予約制だと直前まで知らず、伺う前夜にだめもとで連絡を取ったところOKをいただきました。また、その日は工房見学がお休みの日だったにも関わらず、見学を許可していただきました。

ただ祐斎さんはその時期、展示会でフランスに行かれており、残念ながらお会いできませんでした・・・

制作過程や作品を見せてもらい、色が変わる様子については、実際に蛍光灯・白熱灯の光を当てて説明してくださいました。色調の変化を目の前で見た時の感動をいまでも鮮明に覚えています。

反物や小物も販売していて、私はスカーフと風呂敷を購入しました。

皆さんも京都に行く機会がありましたらぜひ一度訪れてみてくださいね。

京都 嵐山 祐斎亭 http://yumeyusai.jp/

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