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人間という奇跡を生きる(致知2015年12月)


雑誌『致知』を読み、雑誌のテーマに沿った感想文を書き、月に一度の勉強会に参加しています。(勉強会に関してはこちらを参照)その感想文を随時ブログにアップします。

私の感想文は私の自然観や人生観が如実に現れたものとなっています。それは、私が上部頚椎カイロを行う基礎となっている部分でもあります。

こころカイロのドクターがどんな人間なのか、感想文を通して知っていただければ幸いです。

人間という奇跡を生きる

今回の致知のテーマはとても興味深かった。なぜなら、私自身の仕事であるカイロプラクティックの基本哲学と共通する「宇宙の真理・普遍性」に目を向けている内容だったからだ。

中でも、柳澤桂子さんの対談(p14)、平澤興講話選集(p34)は、カイロプラクティックの発展者であり上部頚椎カイロを始めたB.J.パーマー(1882 生まれ)がカイロプラクティック哲学の中で記した言葉と重なる部分が多くあり、他の分野の方の視点から宇宙の真理について学ぶことができた。

総リードの文中に、『私たちがいまここにある、それは奇跡であり、宇宙の意思・恵みの中で生かされている』とある。その中で気づくべき大切な事は宇宙の意思によって生まれた私たち人間もまた宇宙そのものであるという事だ。つまり、私たちを生み出した宇宙の叡智はその小宇宙である人間の先天的知能(内なる叡智)として存在しているということだ。

そのことを科学者、医師・解剖学者、カイロプラクターの視点で語ってくれているのがこれから紹介する方々たちだ。

まず、柳澤さんは雑誌の対談の中で「私という存在もまた粒子の集まりで、私の周りにある粒子と常に入り混じっている。そう考えると宇宙全体が繋がっている。宇宙と私たちは一体なんです。「私」「あなた」という人間的な考え方は錯覚であり、本来皆一元的なものなんです。」(p21)と原子論を基に宇宙と人間は同じものであるという一元性を説かれている。

また、平澤興氏も「大用現前」という禅語の説明の中で(p36)、身体の血液浄化作用を例に挙げ、この人間の無意識下で行われる生命維持の働きこそ天地の理法、宇宙の真理が目の前で行われているという一つの証拠になるといっている。

カイロプラクティックの発展者であるB.J.パーマーもその哲学の中で、人間の理解が及ばなくとも、「宇宙の仕組みがユニバーサル・インテリジェンス(宇宙の叡智)によってすべて解明されているように、「小宇宙」と呼ばれる人体もイネイト・インテリジェンス(先天的知能・内なる叡智)によってすべて解明されている。すなわち、先天的知能は、自分の体は本来どうあるべきかということを知っており、瞬時体内に入ってくる様々な情報に対して適切な判断を下し、それに順応できるように働きかけている。」と語っている。

私自身、解剖学を教えていた経験がある。そして解剖学を学べば学ぶほど、平澤氏同様、私たちは人体の表層部分は分かっても、その根源を知ることはできないと感じていた。つまり、IPS細胞で心臓や皮膚を作ることはできても、その元となる細胞自体を作ることができないということだ。

しかし、その元を作りだし、そして非常に複雑な機能を持つ人体を作り上げられるものこそが、宇宙の真理・叡智・意思である。その宇宙の真理によって作られた私たちの体は「知識」(教育脳)では理解できない複雑な働きを持つ先天的知能によってコントロールされているという事を解剖学の勉強を通して改めて感じることができた。

もし人間というものが生まれてきたことが奇跡だと、それを作り上げた宇宙の真理・智慧・意思によって人間は生かされていると感じるならば、その最たるものである私たち自身の体の持つ力を心から信じて欲しい。そして今この瞬間も私たちの生命を維持するために働いてくれている体に感謝して欲しいと思う。それは、身体にとって有益でない生活習慣は改善してほしいということだ。本当に感謝している人はその相手にとって悪いことはしないものだと信じている。

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